「また値上げか…」
2026年、ウイスキーファンの財布を直撃し続けているサントリーの価格改定。かつては定価で買えた『山崎』も、今や定価自体が跳ね上がり、二次流通では「もう手が出ない」レベルの高級品になってしまいました。
「あの山崎のような華やかでリッチな余韻を味わいたい、でも1本に何万円も出せない……」
そう願う皆さんのために、今回は元バーテンダーである私が、忖度なしで選んだ「山崎の『代替』として十分に満足できるコスパ抜群の銘柄5選」をご紹介します。
山崎特有の「ミズナラ感」や「熟成感」を紐解きながら、似ているポイントを徹底解説します!


ケン
・元バーテンダー|現ITエンジニア
・アイラウイスキー愛好家
・年間ウイスキー消費量は100杯以上


\500mlあたり約20円!/
そもそも「山崎」の特徴とは?
代わりの銘柄を探す前に、私たちがなぜ「山崎」に惹かれるのか、その特徴を整理しておきましょう。
「名水の里」が育む、深遠な個性


| ブランド | サントリーウイスキー |
| 原産地 | 日本 |
| アルコール度数 | 43% |
| 容量 | 700ml |
| 種別 | シングルモルトウイスキー |
| 熟成樽 | ワイン樽、ミズナラ樽 |
| 熟成年数 | ノンエイジ |
| 仕込み水 | 山崎の天然水 |
| 製造元 | 山崎蒸溜所 |
山崎は、1923年に着工された日本最古のモルト蒸溜所「山崎蒸溜所」で造られる、ジャパニーズウイスキーの原点とも言える銘柄です。
京都の郊外、桂川・宇治川・木津川の三本の川が合流するこの地は、古くから名水の里として知られ、万葉の歌にも詠まれたほど。湿潤で霧が立ち込めやすいこの独特な気候こそが、ウイスキーの熟成に理想的な環境をもたらし、山崎特有の「深く、複雑な香味」を育みます。
山崎を形作る3つのエッセンス


山崎のテイスティングノートを紐解くと、その魅力は大きく3つの要素に集約されます。
オリエンタルな「ミズナラ」の香り
山崎のアイデンティティとも言える、日本独自のミズナラ樽由来の香り。白檀(サンダルウッド)や伽羅(きゃら)といったお香を思わせる、神秘的で心落ち着くアロマが鼻をくすぐります。
甘美でリッチな果実味
シェリー樽由来のプラムや乾燥イチゴのような濃密な甘み。そこにバニラや蜂蜜のような滑らかさが重なり、口の中で幾重にも層を成す複雑な味わいが広がります。
長く続く重厚な余韻
飲み込んだ後も、熱を帯びたような心地よいスパイスと、上品な甘さが長く続きます。ストレートでじっくり向き合うのはもちろん、ロックにしてもその骨太な骨格が崩れることはありません。
この「オリエンタルな香り × 多彩な原酒の調和」こそが、山崎の正体です。
しかし、2026年現在の異常なまでの価格高騰を考えると、日常的に楽しむには少しハードルが高すぎるのも事実…。
そこで、山崎に近いニュアンスを持ちつつ、今でも現実的な価格で手に入る「ジェネリック山崎」とも呼べる銘柄を厳選しました。
「山崎」に味わいが似ている銘柄5選
1. グレンファークラス12年


〜シェリー樽熟成の王道が魅せる、圧倒的な果実味〜
「グレンファークラス」は、1836年の創業以来、一貫して「シェリー樽熟成」の伝統を守り続ける、スペイサイドの名門です。
最大の特徴は、今では世界でも数少なくなった「ガス直火焚き」による蒸留です。これによって生まれる力強いコクと、レーズンやナッツ、シナモンを思わせるリッチな香りは、まさに至福の味わい。ラベルに刻まれた初代の直筆ロゴは、160年以上も家族経営を貫き、品質を磨き続けてきた「こだわり」の証でもあります。
山崎ファンを唸らせるのは、その「熟したリンゴ」や「ドライフルーツ」のような濃密な甘みです。直火蒸留ならではのドッシリとした飲み応えがあり、ストレートで愉しんだ時の満足感は、本家に決して引けを取りません。
2026年現在、多くのブランドが値上げを余儀なくされる中で、独立経営だからこそできる「驚くほど良心的な価格」も大きな魅力。山崎のあの「濃厚なシェリー感」が恋しくなった時の、一番の処方箋になってくれるはずです。
2. シーバスリーガル ミズナラ 18年


〜ミズナラ樽が香る至高のブレンド〜
「シーバスリーガル ミズナラ 18年」は、名門シーバスリーガルが日本のウイスキーファンのために特別に仕立てた1本。熟成の最終段階で、希少な日本産のミズナラ樽を使用してフィニッシュさせるという、非常に贅沢な手間がかけられています。
最大の魅力は、18年という長い歳月がもたらす圧倒的な「円熟味」です。ベルベットのように滑らかな口当たりの中に、ミズナラ由来の白檀や香木を思わせる、繊細でスパイシーな余韻がふわりと重なります。
この「オリエンタルな香り」こそが、山崎ファンが愛してやまないミズナラ樽の真骨頂。そのエッセンスを、これほど見事に、そして手の届く価格で表現しているボトルは他にありません。
3. アバフェルディ12年


〜山崎に通ずる華やかな余韻〜
「アバフェルディ」は、世界的に有名な「デュワーズ」の味の核を担う、非常に贅沢なモルトウイスキーです。1898年の創業以来、水の神のプールと呼ばれるピティリー川の清らかな水と、あえて手間暇をかけた長時間の発酵を守り続けています。
一口飲めば、まるで完熟したリンゴや洋ナシを蜂蜜に浸したような、明るく濃厚なアロマが口いっぱいに広がります。オーク樽からくるバニラの優しさと、ほんのりとしたスパイスのアクセントは、まさに山崎ファンが愛してやまない気品ある甘みそのもの。
特筆すべきは、ハイボールにした時の「華やかな抜け感」です。炭酸とともに蜂蜜のような甘い香りがふわっと開き、後味にかけてオレンジのような爽やかな余韻が駆け抜ける瞬間は、思わず「山崎にそっくりだ」と驚いてしまうはず。
4. バルヴェニー12年 ダブルウッド


〜職人の手仕事が育む、絹のような滑らかさと気品〜
「バルヴェニー」は、あのアランやグレンフィディックと同じ創業者が手掛けた蒸留所でありながら、より「手仕事の温もり」を大切にする職人気質なブランドです。今でもフロアモルティングという、スコットランドでも数少ない伝統を頑なに守り続けています。
代表作のダブルウッドは、バーボン樽で熟成した後にシェリー樽へと原酒を移し替える贅沢な製法。これにより、蜂蜜やバニラのようなとろける甘みと、シェリー樽由来の繊細なスパイス感が、驚くほど高い次元で調和しています。
山崎に通じるポイントは、何と言ってもその「圧倒的なバランスの良さとクリーミーな口当たり」です。トゲのない絹のような質感は、まさに山崎が持つ高級感のあるまとまりそのもの。繊細な味わいを好む日本人の味覚にこれほどマッチするスコッチは、他になかなか見当たりません。
2026年、山崎を手に入れるのが難しくなっている今こそ、このバルヴェニーの非の打ち所がない完成度を改めて体感してみてください。
5. アベラワー 12年 ダブルカスクマチュアード


〜ベリー系の濃厚さとスパイシーな余韻〜
「アベラワー12年 ダブルカスクマチュアード」の最大の特徴は、その名の通り「ダブルカスク」による贅沢な熟成にあります。シェリー樽とバーボン樽、それぞれで12年以上眠らせた原酒を、最後に絶妙な比率でブレンド。この手間暇こそが、重層的で奥行きのある味わいを生み出す秘訣です。
山崎ファンが思わず膝を打つのは、その「ベリー系のフルーティーさ」。イチゴや赤系果実を思わせる甘酸っぱい香りの後に、少しビターなチョコレートをかじったようなコクが追いかけてきます。この絶妙なコントラストは、まさに山崎の血統を感じさせる仕上がりです。
本家と比べるとアベラワーの方がやや「骨太」で力強い印象ですが、その分、一口の満足度は抜群。リッチな気分に浸りたい夜には、まさに誂え向きの1本と言えるでしょう。
まとめ:高騰する今だからこそ「隠れた名作」に出会える


2026年、山崎を手に入れるのは至難の業。「あの華やかで深い一杯が飲みたい」と思っても、なかなか手が出せないのが2026年の現状。
でも、がっかりしないでください。少しだけ世界に目を向けてみると、山崎のDNAを感じさせつつ、独自の魅力で私たちを癒やしてくれるボトルがいくつもあるんです。
「あの濃厚なシェリー感やイチゴのような甘みがほしい!」という方は、「グレンファークラス 12年」や「アベラワー 12年」を試してみてください。グレンファークラスの濃密なドライフルーツ感や、アベラワーの「ベリーとチョコ」が織りなす重厚なハーモニーは、山崎が持つリッチな満足感をしっかりと満たしてくれます。
「山崎ならではのミズナラの余韻や、上品な質感を味わいたい」なら、「シーバスリーガル ミズナラ 18年」や「バルヴェニー 12年」がぴったりです。シーバス18年のオリエンタルな香木のような香りと、バルヴェニーの絹のように滑らかな口当たりは、まさに本家が持つ気品そのもの。繊細な日本人の味覚にも驚くほど馴染みます。
「蜂蜜のような甘さと、華やかなハイボールを楽しみたい」なら、「アバフェルディ 12年」が最高です。グラスから立ち上がるオレンジや蜂蜜の香りは、山崎ハイボールの「あの抜け感」を彷彿とさせ、思わず笑みがこぼれるほどの満足度を届けてくれます。
憧れの1本が遠くなるのは寂しいですが、だからこそ出会える新しい感動もあります。高騰に振り回されず、賢く、そして心ゆくまで美味しいウイスキーライフを一緒に送りましょう!












