「大切なあの人に、ちょっと良いお酒を贈りたい」 「5,000円前後で、センスが良いと思われるウイスキーはどれ?」
プレゼント用のウイスキー選びは、意外と難しいものです。安すぎるとカジュアルすぎるし、高すぎると相手に気を使わせてしまう。そんな中で「5,000円前後」という価格帯は、自分ではなかなか買わない「ワンランク上の贅沢」を感じてもらえる絶好のラインです。
今回は、数多くのボトルをカウンターで提供してきた元バーテンダーの筆者が、贈る相手のタイプ別に「絶対に外さない10銘柄」を厳選しました。


ケン
・元バーテンダー|現ITエンジニア
・アイラウイスキー愛好家
・年間ウイスキー消費量は100杯以上


\500mlあたり約20円!/
万人受け・初心者にも!華やか&フルーティーな4選
ウイスキーを飲み始めたばかりの方や、華やかな香りを好む方にぴったりのセレクトです。
1. アラン 10年


「アラン10年」は、スコットランド・アイランズ地方のアラン島、ロックランザ蒸留所で造られるシングルモルトです。1995年創業と比較的新しい蒸留所ながら、その品質の高さで瞬く間に世界中のファンを虜にしました。
味わいは、まさに「もぎたての果実を詰め込んだバスケット」。レモンやオレンジのような柑橘系の爽やかさに加え、蜂蜜をかけた完熟した桃のようなとろける甘みが口いっぱいに広がります。ピート(泥炭)を一切使っていないため、煙たさはなく、ウイスキー初心者の方でもスルスルと飲めてしまうほどの優しさです。
実は、蒸留所の建設中に絶滅危惧種の「イヌワシ」が巣を作ったため、工事を一時中断したという心温まるエピソードがあります。現在もボトルの肩の部分には、そのイヌワシが誇らしげに刻印されています。
華やかでフルーティーな一杯は、ハイボールにすると香りが一層開き、食前酒としても最適です。
2. グレンキンチー 12年


「グレンキンチー」は、スコットランドのローランド地方、エディンバラ近郊にあるグレンキンチー蒸留所で造られるシングルモルトウイスキーです。その立地から「エディンバラ・モルト」という愛称で親しまれ、都会的で洗練されたイメージを持つ銘柄として知られています。
味わいは非常に軽やかで、「春の草原を吹き抜ける風」のようなフレッシュな香りと、蜂蜜やレモンを添えた紅茶のような繊細な甘みが広がります。重厚なウイスキーとは一線を画す、シルクのように滑らかな口当たりが最大の魅力です。
豆知識として、この蒸留所にはスコットランド最大級の巨大なポットスチル(単式蒸留器)が設置されています。これほど大きなスチルでじっくりと蒸留を行うことで、雑味のないクリーンでエレガントな原酒が生まれるのです。
その飲みやすさから、ウイスキー初心者の方や、お食事前の1杯として楽しみたい方に特におすすめです。
3. グレンリベット12年


「ザ・グレンリベット」は、1824年に政府公認の免許を取得した、スコットランド・スペイサイドを代表する蒸溜所です。この地で初めて公認を受けた蒸溜所として、スコッチウイスキーの歴史において特別な地位を占めています。
そのウイスキーは、軽やかでフローラルな香りと、ハチミツのような甘くコクのある味わいが特徴。初心者にも飲みやすい滑らかな口当たりを持ちながら、繊細で豊かなフレーバーを備えており、ウイスキー愛好家にも愛されています。
「グレンリベット 12年」は、スペイサイドモルトの代名詞とも呼ばれるスタンダードモデルです。軽やかでフローラルな香りとバニラやハチミツのようなエレガントで濃厚な味わいは、スペイサイドモルトの特徴を存分に体現しており、初めてスペイサイドモルトを試す方には間違いのない選択肢と言えるでしょう。
4. グレンフィディック 12年


「グレンフィディック」は、1887年に創業されたスペイサイドの名門ブランドであり、現在も創業者の家系による家族経営が続けられています。この蒸溜所は、「シングルモルトウイスキー」というジャンルを世界に広めた先駆者として知られ、その功績はスコッチウイスキーの歴史において重要な位置を占めています。
グレンフィディックが特に注目を浴びたのは、1963年に業界で初めてシングルモルトウイスキーを市場に投入した時のことです。当時、シングルモルトは主にブレンデッドウイスキーの原酒として使われていましたが、この挑戦的な試みは、フルーティーで爽やかな味わいが世界中のウイスキーファンに高く評価され、大成功を収めました。その洋ナシやオレンジピールを思わせる香りと滑らかな飲み心地は、初心者から上級者まで幅広い層に愛されています。
グレンフィディック12年は、価格と品質のバランスに優れた定番商品として、多くのファンを魅了しています。今日、グレンフィディックは世界で最も飲まれているシングルモルトの1つであり、その地位を揺るぎないものとしています。
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5. グレンファークラス12年


「グレンファークラス」は、スコットランド・スペイサイド地方に位置し、1865年からグラント家が6代にわたり家族経営を貫く、独立独歩の蒸留所です。「緑の草の生い茂る谷間」を意味する名の通り、自然豊かな環境で伝統的な「ガス直火焚き蒸留」を守り続けています。
「グレンファークラス12年」は、100%オロロソ・シェリー樽で熟成された、まさにシェリー樽ウイスキーの王道です。熟したプラムや蜂蜜、そしてマーマレードのような濃厚な甘みが特徴で、口に含むと「濃厚なドライフルーツをたっぷり練り込んだパウンドケーキ」のような重厚さとスパイス感が広がります。
大手資本に属さない職人気質な味わいは、本物志向の愛好家から高く評価されています。


6. カバラン ディスティラリーセレクト No.1


「カバラン」は、台湾北東部の宜蘭(イーラン)にあるカバラン蒸留所で造られる、世界を席巻中のシングルモルトです。2005年、大手飲料メーカー「金車グループ」により、台湾初の本格ウイスキー蒸留所として設立されました。ブランド名は、宜蘭の地をかつて開拓した先住民「クヴァラン族」に由来しています。
味わいは、まさに「完熟したトロピカルフルーツのパレード」。マンゴーやバナナ、パイナップルのような濃厚な黄色い果実味に、バニラやタフィーの甘い余韻が重なります。台湾の亜熱帯気候により、スコットランドの数倍の速さで熟成が進むため、若くても驚くほど滑らかで濃厚な口当たりが楽しめます。
初心者の方や、フルーティーな銘柄がお好きな方に特におすすめです。また、実はこのボトルの直線的なラインは「台北101」タワーをイメージしており、台湾のプライドが詰まったデザインとなっています。2025年の「ベスト・オブ・ザ・ベスト・シングル・モルト・ウイスキー」でもウィナーに輝くなど、今まさに最も勢いのある一本です。
7. ジョニーウォーカー グリーンラベル 15年


「ジョニーウォーカー グリーンラベル 15年」は、数あるラインナップの中でも「最高峰のコストパフォーマンス」と称えられる傑作です。最大の贅沢は、15年以上熟成されたシングルモルトのみをブレンドしたブレンデッドモルトであること。グレーン(穀物)ウイスキーを使わず、個性豊かなモルト原酒のみを掛け合わせることで、驚くほど重厚でリッチな飲み応えを実現しています。
特筆すべきは、同価格帯のシングルモルトと比較した際の「完成度の高さ」です。近年のウイスキー高騰の中でも、「熟成年数15年の確かな品質」をこの価格で楽しめるのは、世界最大のブランドならではの特権。シングルモルト12年ものと変わらない予算で、ワンランク上の「15年熟成の円熟味」を堪能できる、まさに愛好家の味方といえる一本です。
味わいは、まるで「朝露に濡れた深い森」を散策しているかのような清々しさが特徴。タリスカー由来の力強いスパイス感と、カリラがもたらす繊細な燻製香が、完熟したリンゴや蜂蜜のような濃厚な甘みと見事なハーモニーを奏でます。
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8. ラフロイグ 10年


「ラフロイグ」は、ウイスキーの聖地アイラ島の南部で1815年に創業された、世界で最も個性的なシングルモルトの一つです。ゲール語で「広い入り江の美しいくぼ地」を意味し、その名の通り潮風をダイレクトに受ける熟成庫でその魂を育んでいます。
最大の魅力は、「正露丸」や「焚き火」に例えられる強烈なスモーキーさとヨード香です。まるで波飛沫のかかる海辺で開けた救急箱のような衝撃がありますが、その奥にはバーボン樽由来のクリーミーな甘みが優しく広がります。
実は、アメリカの禁酒法時代に「この香りは薬だ」と主張して医薬品として輸出を認めさせたという驚きの逸話があります。
唯一無二の刺激を求める方や、スモーキーな味わいが大好きな方に、ぜひプレゼントしていただきたい「スモーキーウイスキーの王道」です。


9. オールドプルトニー 12年


「オールドプルトニー」は、スコットランド北東部の港町ウィックにあるプルトニー蒸留所で造られるシングルモルトです。1826年の創業当時、ウィックはニシン漁の拠点として栄えており、このウイスキーは過酷な海で働く漁師たちの疲れを癒やす「海のモルト」として愛されてきました。
味わいの最大の特徴は、潮風をたっぷり浴びて熟成されることで生まれる独特の「塩気」です。その風味は、まるで「完熟したリンゴにひとつまみの岩塩を振り、濃厚な蜂蜜をかけたような味わい」。爽やかなシトラスの香りと、後味に続くピリッとしたスパイス感が、北海の力強い波しぶきを連想させます。
10. ベンロマック10年


「ベンロマック」は、スペイサイドで最小規模のベンロマック蒸溜所からリリースされる銘柄です。
1983年以降、一時閉鎖されていた蒸溜所をボトラーズのゴードン&マクファイル社が買収し、1998年に再開されました。この蒸溜所は、1960年代の生産環境と味わいを重視し、伝統的な製法を守り続けています。
そのため、スタンダードラインの「ベンロマック10年」は、年数に似つかわしくないほどの熟成感や古酒感を持ち、非常に玄人受けする特徴を持っています。
ピートを使用した軽やかなスモーキーさと、フルーティーな味わいのバランスが絶妙で、クラシックなスペイサイドスタイルに独自の工夫が施された個性的なモルトです。この特長が、ベンロマックを他のスペイサイドモルトと一線を画す存在にしています。
相手の笑顔を想像して選ぶ、最高の一本を。


さて、5,000円前後で選ぶプレゼントにおすすめのウイスキー10選、いかがでしたでしょうか。
この価格帯は、自分ではなかなか手を出さない「ワンランク上の贅沢」を贈ることができる絶好のラインです。
もし爽やかな味わいを楽しんでほしいなら「アラン 10年」や「グレンフィディック 12年」を、静かな夜にじっくりと浸ってほしいなら「グレンファークラス 12年」や「ジョニーウォーカー 15年」が最適です。
また、ウイスキーに慣れ親しんだ方への贈り物なら、「ラフロイグ 10年」や「オールドプルトニー 12年」といった個性派のボトルも喜ばれるでしょう。
大切なのは、銘柄の知名度以上に「相手がどんなシーンで味わうか」を想像することです。この記事が、あなたの大切な人へ贈る「最高の一杯」を見つける手助けになれば幸いです。ぜひ、心を込めた素敵なギフトを選んでみてください!














