ウイスキーにはフルーティさや甘さ、ウッディさなど、香りや味わいを決める様々な要素があります。その中でも、「スモーキーさ」はウイスキーの香りや味わいを決定づける一大要素です。ピート香とも呼ばれるこの特徴には、燻製のような香りがあり、ウイスキーには欠かせないものとなっています。
スモーキーなウイスキーとして代表的なのが、スコットランドのアイラ島で造られるモルトウイスキーです。今回は、そんな強烈な個性を持つアイラモルトのおすすめ10選をご紹介します。
アイラモルトについて
まず、アイラ島とはどこなのか、アイラモルトにはどのような特徴があるのかを説明します。
アイラ島とは
アイラ島とは、スコットランドのインナー・ヘブリディーズ諸島に属する島で、スコットランドの西海岸に位置し、その大きさは兵庫県の淡路島とほぼ同じくらいです。現在、アイラ島には9つの蒸留所があり、小さい島ながらアードベッグやラフロイグ、ボウモアなどのビッグネームが名を連ねています。世界中のウイスキーファンが一度は訪れたいと憧れるのがこのアイラ島です。
アイラ島のウイスキーの特徴は主に2つあります。それは、ヨード香(磯や海のような香り)と強烈なピート香(燻製のような香り)です。
まずヨード香について説明します。アイラ島は海に囲まれているため、蒸留所のほとんどは海に面した場所に立っており、潮風が蒸留所に吹き付ける気候風土の下で長期熟成されることで、ウイスキーに塩味や海藻のような風味が加わることがあります。これをヨード香と呼びます。
次に、ピート香について説明します。ピートとは泥炭のことを指します。ピートは湿地帯などでよく取れる泥炭層を掘り起こして天日乾燥し、ウイスキーの原料である大麦麦芽を乾燥させる際に燃料として使います。ピートを燃やした煙を麦芽に当てることで、燻製のようなスモーキーフレーバーが生まれます。
アイラ島は湿地が多く、その湿地には海藻を含むピートが多く存在します。これらのピートがアイラウイスキーにはふんだんに使用されるため、アイラウイスキーには独特な磯の香りや薬品の香りが生み出されます。
このようなアイラ島の特性により、アイラ島のウイスキーは独特のヨード感を含んだ強烈なスモーキーな香りを持つことが特徴です。
しかし、アイラウイスキーはかなり癖が強いため、万人受けするウイスキーではありません。アイラ島には昔から、「簡単には友達にならない。しかし、一度友情を結んだら一生ものだ」ということわざがあります。そのくらい、好みが分かれるウイスキーですが、一度その魅力にハマると、アイラしか飲まなくなる人も多いほど、魅力的なウイスキーです。
アイラ島の個性豊かなシングルモルト
シングルモルトウイスキーとは、単一の蒸留所で製造されたモルトウイスキーのことを指します。モルトウイスキーは、大麦麦芽を主原料としており、単式蒸留機で蒸留されます。
シングルモルトは、他の蒸留所のウイスキーやグレーンウイスキーとブレンドされていないため、特定の蒸留所の特徴や個性をそのまま楽しむことができます。
アイラ島は海に面しており、豊富にピートが採れる環境にあります。この特性を生かし、各蒸留所が独自の製法と伝統によって異なる個性を持つウイスキーを作り出しています。その結果、アイラ島では唯一無二の個性豊かなウイスキーが生み出されています。
それでは、今回は価格帯別でおすすめのアイラのシングルモルトを10個選定してきたのでご紹介します。
アイラモルトおすすめ10選
5,000円台のアイラモルト
まずは、5,000円台のおすすめアイラモルトを3つご紹介します。
ボウモア12年
ブランド | BOWMORE(ボウモア) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | バーボン樽 |
熟成年数 | 12年 |
仕込み水 | ラーガン川 |
製造元 | ボウモア蒸留所(アイラ) |
おすすめの飲み方 | ストレート、トワイスアップ、ハイボール |
一つ目に紹介するのは「ボウモア12年」です。「ボウモア12年」は、スコットランドのアイラ島中心部に位置するボウモア蒸留所でつくられるシングルモルトウイスキーです。
ボウモア蒸留所は、アイラ島西部の入江、海抜0mに位置する場所で1779年に創業開始した、アイラ島最古の蒸留所です。ボウモア蒸留所では、2003年以降に生産されたスピリッツをすべてシングルモルトウイスキーにのみ使用しており、ブレンデッドウイスキーメーカーや独立系ボトラーに販売されることはありません。ボウモアは、シングルモルトにこだわり、量よりも質を重視したブランドです。
ボウモアでつくられるウイスキーは、気品と力強い味わいのバランスが取れていることから「アイラの女王」と称されています。アイラウイスキー独特のスモーキーさも程よくあり、華やかで甘みがあるのが特徴です。アイラ島南部にあるアードベッグやラフロイグよりも飲みやすく、北部にあるブルックラディよりも個性的な味わいになっており、「アイラを知りたければボウモアを飲め」とも言われています。
そんなボウモア蒸留所でつくられる12年熟成のウイスキーが「ボウモア12年」です。ボウモア12年はバーボン樽で12年熟成されたシングルモルトウイスキーです。
香りはヨード香やピート香が強く感じられ、チョコレートやローストした穀物の風味も楽しめます。味わいもヨードの深い味わいがあり、その後ピートがガツンと来ます。また、バニラのような甘みやチョコレートのようなビター感も併せ持っています。
おすすめの飲み方は、ピートやヨードの風味を楽しみたいのであればストレートがおすすめです。また、トワイスアップにすると、奥に潜んでいた甘みや香りが前面に出てくるのでこちらもおすすめです。ボウモアはスモーキーさに加え甘みやフルーティさもあり、加水してもバランスが崩れないのでハイボールにしてもおいしいです。
バランスの取れたアイラの特徴を上品に表した一本で、コストパフォーマンスにも優れています。どんな飲み方でも楽しめるため、初心者の方にもおすすめです。
あたたかみのある琥珀色
磯の風味をまず最初に感じる。次に重たすぎないピート香がする。またローストした穀物のような香りもある。あとはチョコレート、オレンジなど。
ヨードの味わいがとても強い。若干塩味もある。その後に強めのピート。また、バニラのような甘みとチョコレートのようなビター感。
ヨード感とピート感が長く続く
アードベッグ10年
ブランド | Ardbeg(アードベッグ) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | バーボン樽 |
熟成年数 | 10年 |
仕込み水 | ウーガダール湖 |
製造元 | アードベッグ蒸留所(アイラ) |
おすすめの飲み方 | ストレート |
2つ目は「アードベッグ10年」です。「アードベッグ10年」はアードベッグ蒸留所でつくられるシングルモルトウイスキーです。「アードベッグ」はゲール語で「小さな岬」という意味を持ちます。
アイラ島の南部には、ラフロイグやラガヴーリンなど、個性的でヘビーピートなウイスキーをつくる蒸留所が数多くあります。その中でも、アードベッグは最強のピート香とヨード香を持つウイスキーです。麦芽の乾燥に使用するピートの量は「ppm」という単位で表されるフェノール値で示されますが、ボウモアが25ppm程度なのに対し、アードベッグは55ppm程度と、ボウモアの2倍以上の数値を誇ります。
アードベッグは仕込み水にウーガダール湖の水を使用しています。この湖はピートでウイスキーのような色に染まっており、仕込み水もピートを多く含んでいます。焚きこむピートの量から伏流水まで、唯一無二の個性的なスモーキーフレーバーを作るための工夫が随所にちりばめられています。
アードベッグ10年はアルコール度数が46%で、味わい深く、力強い濃厚な甘さを楽しむことができます。香りの特徴は強烈なスモーキーフレーバーと潮の香り、そしてバニラのような甘い香りです。味わいは、香りから力強い風味を予想させますが、実際に飲んでみると滑らかさがあります。深みのある重厚なピートやヨードの風味、そして甘さやフルーティさが感じられます。最初はパワフルですが、飲むほどにその魅力に引き込まれていきます。
おすすめの飲み方はストレートで、この深みのある重厚なスモーキーフレーバーを堪能するができます。
おすすめのおつまみはスモークサーモンやホタテの燻製です。魚介類の燻製は、スモーキーでヨード感の強いアードベッグと絶妙に合います。
とにかくスモーキーなウイスキーが大好きだという方には、ぜひ試していただきたい一本です。
淡い琥珀色
とても強いピート香。また磯の香りもある。さらにバニラのようなスイートな香りや柑橘系のフルーティさもある。
度数46%だからか口当たりは少しピリッとしている。その後にくるのが深みのあるスモーキーフレーバー。バニラのような甘みもあり、スムーズな味わい。
豊かなスモーキーさが長く続く。
スカラバス
ブランド | SCARABUS(スカラバス) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 46% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | リフィルバーボンカスク、バージンアメリカンカスク |
熟成年数 | シークレット |
仕込み水 | シークレット |
製造元 | シークレット(蒸留所は明かされていないが、アイラ島の単一蒸留所の原酒100%) |
おすすめの飲み方 | ストレート、ハイボール |
3つ目にご紹介するのは「スカラバス」です。「スカラバス」は製造元の蒸留所や熟成年数を明らかにしないシークレットウイスキーですが、100%アイラ島の単一蒸留所のモルト原酒を使用していることが明らかにされているアイラシングルモルトです。スカラバスはハンターレイン社という大手ボトラーズから発売されています。「ボトラーズ」とは、ブレンダーや瓶詰め専門の業者が蒸留所から樽ごと原酒を買い取り、独自に販売するブランドのことです。
ハンターレイン社は2018年にアイラ島9つ目の蒸留所である「アードナホー蒸留所」を完成させたことで知られています。この「アードナホー蒸留所」の誕生を記念して作られたのが「スカラバス」というブランドです。「スカラバス」は古ノルド語で「岩の多い場所」という意味で、アイラの秘境の地名にちなんでいます。
味わいは、海辺でバーベキューをするときのようなスモーキーさや磯の香りが感じられます。また、度数の高さからかかなりスパイシーです。ボディは非常にリッチでオイリーさがあり、さらに柑橘系のフルーティさやバニラのような甘みも感じることができます。
アイラのどの蒸留所のモルト原酒なのかを考えながら楽しむことができるのも、ボトラーズウイスキーの楽しみ方の一つです。
ブランドにこだわらず、美味しいアイラモルトを楽しみたいのであれば、スカラバスはコスパにも優れているので、とてもおすすめできる一本です。
薄い黄金色
ビーチでバーベキューをしているときのようなスモーキーな香りや磯の香り、オレンジ、キャラメル
口当たりはとてもスパイシー。その後にほんのりピート感とヨード感。ボディはかなりリッチで、かなりオイリー。またバニラのような甘さやグレープフルーツのような柑橘系のフルーティさも感じる。
リッチで長く続くスモーキーさとフルーティさ
6,000円台のアイラモルト
次に、6,000円台のアイラモルトを5つご紹介します。
カリラ12年
ブランド | CAOL ILA(カリラ) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 43% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | リフィルバーボンカスク |
熟成年数 | 12年 |
仕込み水 | ナムバン湖 |
製造元 | カリラ蒸留所 |
おすすめの飲み方 | ストレート、ハイボール |
4つ目にご紹介するのは「カリラ12年」です。カリラ12年はカリラ蒸留所でつくられるシングルモルトウイスキーです。
カリラ蒸留所はアイラ島の北東に位置し、目の前にはアイラ海峡が広がっています。「カリラ」という名前もゲール語で「アイラ海峡」を意味します。
カリラ蒸留所は1846年に創業され、アイラ島で最大のウイスキー生産量を誇り、その量は年間約700万リットルにも及びます。また、もともとカリラ蒸留所はブレンデッドウイスキーのモルト原酒用としてウイスキーを大量生産していたため、歴史が長いにもかかわらず、シングルモルトウイスキーとしてリリースされたのは2002年になってからです。カリラのモルト原酒を使用したブレンデッドウイスキーの代表例としては「ジョニーウォーカー」があります。
カリラの特徴としては、シャープでドライなところです。すっきりとしたスモーキーフレーバーを楽しむことができ、軽やかな甘さもあり、非常に飲みやすいアイラモルトです。
カリラ12年はハイボールで飲むのが特におすすめです。すっきりとしたスモーキー感と甘みがあるため、ハイボールにするとアイラの特徴を持ちながら爽やかな味わいを楽しむことができます。
潮の激しいアイラ海峡はロブスターやカニなどの良い漁場となっていますが、偶然にもカリラと魚介類との相性は抜群です。
すっきりとしたスモーキーフレーバーで飲みやすいので、初心者の方にもおすすめです。
淡い麦わら色
オイリー、ピート香、ヨード香、スパイシーな香り、フルーツの甘い香り
ピーティでスモーキー、フレッシュでオイリー、フルーティでシトラス、ほんのりとした甘み、チョコレートのようなビター感
スモーキーな余韻とスパイシーな果実感。
ラガヴーリン8年
ブランド | LAGAVULIN(ラガヴーリン) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 48% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | ー |
熟成年数 | 8年 |
仕込み水 | ソラン湖 |
製造元 | ラガヴーリン |
おすすめの飲み方 | ロック |
5つ目にご紹介するのは「ラガヴーリン8年」です。ラガヴーリン8年はアイラ島の南岸に位置するラガヴーリン蒸留所でつくられるウイスキーです。
「LAGAVULIN」という名前は、ゲール語で「Laggan Mhouillin」(谷間の水車小屋)が由来となっています。村には今も2つの水車小屋の碾き臼の石が存在しています。
ラガヴーリンの特徴は、アイラのスモーキーさに加えてどっしりとしたコクやなめらかさを兼ね備えていることです。また、ラガヴーリンの原酒はホワイトホースのキーモルトとしても使用されています。
ラガヴーリン8年は、2016年に創業200周年を記念して「ラガヴーリン8年200周年記念ボトル」として初めて発売されました。ラガヴーリン8年はニューヨークで開催されたアルティメット・スピリッツ・チャレンジで97点という非常に高い評価を獲得し、2018年5月に定番商品化されました。ラガヴーリンの代表商品としては、「ラガヴーリン16年」が知られています。
ラガヴーリンはそのリッチで重厚な味わいから「アイラの巨人」と称されています。
初心者には少しパンチが強すぎるかもしれませんが、ウイスキー愛好者ならいつかは挑戦してみたい一本です。
薄い黄金色
オレンジのようなフレッシュなフルーツ香、ピートのスモーキーな香り
8年熟成で度数が48%にもかかわらずまろやか。薬品のようなスモーキーさがある。また、フレッシュな磯の香りを感じる。奥の方にはバニラのような甘みもある。
薬品のようなスモーキーフレーバー
ラフロイグ10年
ブランド | LAPHROAIG(ラフロイグ) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 43% |
容量 | 750ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | バーボン樽 |
熟成年数 | 10年 |
仕込み水 | キルブライド湖 |
製造元 | ラフロイグ蒸留所(アイラ) |
おすすめの飲み方 | ストレート |
続いて6つ目にご紹介するのは「ラフロイグ10年」です。ラフロイグ10年はラフロイグ蒸留所でつくられるウイスキーです。ラフロイグ蒸留所はスコットランドでも1、2を争うくらい外壁が白く、屋根が美しい蒸留所となっています。「ラフロイグ」とは、ゲール語で「広い湾の美しい窪地」を意味します。現在のイギリス国王チャールズ3世が愛する銘柄としても知られています。
ラフロイグ蒸留所は海に近い湿地から切り出した海藻を多く含むピートを使用しており、その香りがそのままウイスキーに反映され、強いヨード香が特徴です。このヨード香はヨードチンキや正露丸の匂いと呼ばれることも多いです。
ラフロイグはアイラ島のトップクラスの癖の強さを誇り、そのキャッチコピーは「You either love it or hate it.(好きになるか、嫌いになるかのどちらか。)」であることが有名です。
また、アメリカの禁酒法時代には、このウイスキーは酒ではなく薬の匂いだと主張し、ラフロイグは薬用酒として販売され、薬局に並んでいたこともありました。このように、ラフロイグ10年は独特の風味を持つシングルモルトウイスキーです。
おすすめの飲み方はストレートです。ラフロイグが持つ薬品的かつ力強いスモーキーさを楽しむことができます。
決して万人受けする味とは言えませんが、一度虜になったら離れられない、熱狂的なファンの多いウイスキーです。ぜひ一度は手に取ってみてはいかがでしょうか。
濃い黄金色
爽快なピート香、磯の香り、樽感、スパイス
舌にまとわりつくようなオイリーなコク、ピーティでスモーキー、ヨード感、バニラのような甘さ、ドライフルーツのようなフルーティさ
正露丸と呼ばれるようなスモーキー感が続く
ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ
ブランド | BRUICHLADDICH(ブルックラディ) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 50% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | バーボン樽、シェリー樽、ワイン樽 |
熟成年数 | ノンエイジ |
仕込み水 | アイラ島の湧き水 |
製造元 | ブルックラディ蒸留所(アイラ) |
おすすめの飲み方 | ストレート |
7つ目に紹介するのは「ブルックラディ・ザ・クラシック・ラディ」です。こちらはブルックラディ蒸留所でつくられるノンピートタイプのシングルモルトウイスキーです。「ブルックラディ」には「海辺の丘の斜面」という意味があります。ブルックラディ蒸留所はボウモア蒸留所からさらに西部に位置しています。
ブルックラディ蒸留所は1881年に操業を開始しましたが、その後1894年に買収され、閉鎖されることもありました。しかし、2001年に再オープンしました。ブルックラディ蒸留所は「テロワール」という概念を大切にしています。テロワールとは、フランス語の「土地」を意味する「terre」から派生した言葉で、ある作物の生育環境がその作物の味わいを特徴づけるという概念です。
ブルックラディ蒸留所は、スコットランド産でない大麦を使用するスコッチウイスキーが多いことに疑問を抱き、現在はアイラ島で100年近く途絶えていた大麦栽培を復活させました。ブルックラディのウイスキーは100%スコットランド産の大麦麦芽を使用しており、そのうち50%ほどがアイラ産の大麦です。また、ボトルに使われている素材は環境に配慮されたもので、CSRに積極的に取り組む蒸留所としても知られています。
「ブルックラディ・ザ・クラシック・ラディ」は、ブルックラディ蒸留所が提供する3つのブランドの中でもノンピートタイプのブランドです。他にもヘビリーピーテッドの「ポートシャーロット」やスーパーヘビリーピーテッドの「オクトモア」があります。
「ブルックラディ・ザ・クラシック・ラディ」はノンピートであり、アイラらしいスモーキーな風味がないことが特徴です。その代わりに、濃厚でリッチな穀物のなめらかさを楽しむことができます。
温かみのある琥珀色
フルーティ、穀物の香り。かすかに潮風の香りも感じる。また、牧草感、オレンジのような柑橘系の香り
リッチなモルト感と穀物由来の甘さ。オレンジピールのビターかつ柑橘系果実の甘さもある。若干のオイリーさも。
柑橘系の甘味が長く続く
ポートシャーロット10年
ブランド | PORT CHARLOTTE(ポートシャーロット) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 50% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | アメリカンオーク樽、フレンチオーク樽 |
熟成年数 | 10年 |
仕込み水 | アイラ島の湧き水 |
製造元 | ブルックラディ蒸留所(アイラ) |
おすすめの飲み方 | ストレート、ハイボール |
8つ目に紹介するのは「ポートシャーロット10年」です。こちらは先ほど紹介したブルックラディ蒸留所が生産する3つのブランドの1つで、ピート度合いが中間に位置するウイスキーです。
「ポートシャーロット10年」の味わいは、まさにアイラウイスキーそのものです。強いピート感とヨード感を感じさせます。また、モルト感やキャラメルのような甘さもあり、エレガントさとスモーキーさのバランスが取れた味わいに仕上がっています。
ブルックラディ蒸留所は、大麦の栽培からボトリングまでアイラ島で行うことにこだわっており、このこだわりが「ポートシャーロット10年」にも反映されています。ヘビリーピーテッドタイプのウイスキーであるため、アイラモルトが好きな方にはぜひ試していただきたい一本です。
明るい琥珀色
燻製のピート香、海岸のヨード香。レモンやオレンジの柑橘系の香り、キャラメルの甘い香り。
まとまりのあるピーティーさ。バニラやキャラメルのような甘さ。ピートの強い味わいの中にシナモンのようなスパイスさも感じる。
ほろ苦くスモーキー
10,000円以上のアイラモルト
ここからは実売価格10,000円以上の高級ウイスキーを紹介します。今回は2つご紹介しますが、どちらも一度は手にしたい、アイラモルト愛好家垂涎のウイスキーです。
ラガヴーリン16年
ブランド | LAGAVULIN(ラガヴーリン) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 43% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | アメリカンオーク樽、ヨーロピアンオーク樽 |
熟成年数 | 16年 |
仕込み水 | ソラン湖 |
製造元 | ラガヴーリン蒸留所 |
おすすめの飲み方 | ストレート、ロック |
ラガヴーリン16年に合う食事 | 燻製系 |
9つ目に紹介するのは「ラガヴーリン16年」です。こちらは先ほどご紹介した「ラガヴーリン8年」の16年熟成バージョンです。
ラガヴーリン8年はまだフレッシュ感がありますが、16年ものは非常にリッチで重厚な味わいとなっています。ラガヴーリン16年はブランドの主力商品であり、完成された味わいを楽しむことができます。
このラガヴーリン16年を飲んで驚くのは、アルコールのスパイシーさが一切ない点です。上品なスモーキーさと潮風の風味が感じられ、余韻も非常に長く続きます。まさにアイラモルトの集大成と呼べる一品です。
深みのある黄金色
ほんのりとした薬品系のピート香とヨード香、ドライフルーツのようなフルーティな香り、バニラのような甘い香り
アルコールの刺激は一切なく非常になめらかでコクがある。潮の香りと薬品のようなスモーキーさが口全体に広がる。まろやかな甘み、樽熟成感。
上品なスモーキーさが非常に長く続く。
ボウモア ヴォルト エディション
ブランド | BOWMORE(ボウモア) |
原産地 | スコットランド(アイラ) |
アルコール度数 | 51.5% |
容量 | 700ml |
種別 | シングルモルトウイスキー |
熟成樽 | バーボンカスク |
熟成年数 | 不明 |
仕込み水 | ラガン川 |
製造元 | ボウモア蒸留所 No.1 VAULT |
おすすめの飲み方 | ストレート |
最後にご紹介するのは「ボウモア ヴォルト エディション」です。こちらはボウモア蒸留所でつくられるシングルモルトウイスキーです。
ヴォルト(Vault)とは貯蔵庫を意味し、「ボウモア ヴォルト エディション」は、ボウモアが誇る海抜0mに位置する第一貯蔵庫(No.1 Vaults)が持つ貴重な原酒のみをヴァッティングしてボトリングされた一本です。
第一貯蔵庫の特徴として、海抜0mに位置しているため、天候によって波が貯蔵庫に打ち付けます。その影響により、長年潮気の強い環境で熟成された原酒は強い潮の風味を纏います。
味わいは、ボウモアならではのバランスの取れたピート由来のスモーキーさと、No.1 Vaultsで熟成させた潮の香りとのバランスの良さが特徴です。
ボウモア好きなら一度は手にしたい一本です。
温かみのある黄金色
潮気のあるハニーコムに大西洋の波しぶきが混じった潮風を感じさせる。
上品なスモーキー感、フルーティ、スパイシーなココア、ブラッドオレンジ
スモーキーな余韻に、ブラックベリー、海の潮、金柑の余韻が長く続く
まとめ
今回はおすすめのアイラモルトを10つ価格別にご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したウイスキーをまとめると以下のようになります。
皆様が気になるウイスキーは見つかりましたでしょうか。アイラモルトはどれも個性豊かで、スモーキーな風味や潮の香り、ピートの強さなど、それぞれに独特の魅力があります。アードベッグ、ラフロイグ、ラガヴーリンといった南部の個性豊かな銘柄から、ブルックラディやカリラといった北部の飲みやすい銘柄まで、多彩な選択肢が揃っています。
それぞれのウイスキーが持つ味わいや香りの違いを楽しむことで、アイラモルトの深い魅力をより一層感じていただけることでしょう。この記事が皆様のお気に入りのスコッチウイスキーを見つけるお手伝いになれば嬉しく思います。ぜひ、色々なアイラモルトを試してみて、自分だけの一本を見つけてください。
それではよいウイスキーライフを。
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