ウイスキーと聞いてバーボンウイスキーを思い浮かべる方も多いかもしれません。バーボンウイスキーは、アメリカンウイスキーの中でも特定の原料、蒸留、熟成の規定を満たした、最もポピュラーなウイスキーです。
バーボンはどの州で造っても条件を満たしていれば「バーボン」と名乗れますが、現状では約95%がケンタッキー州で造られています。
バーボンウイスキーは、トウモロコシ特有の甘味や、内側を焦がした樽から生まれる風味、さらにバニラやキャラメルを思わせる甘い香りが特徴的です。飲み方も多様で、ストレートやロック、オールドファッションドなどのカクテルで楽しむことができます。
今回は、2,000円台で買えるおすすめのバーボンウイスキーを4つ紹介します。2,000円台になると、1,000円台に比べて選択肢が一気に広がり、より特徴的な味わいを楽しめるようになります。また、ブランドのスタンダードモデルがこの価格帯に多く見られるため、コストパフォーマンスの高い製品が多く揃っています。
バーボンウイスキーとは
「そもそもバーボンウイスキーって何?」と思う方もいると思うので、まずはバーボンの定義や特徴について解説します。
バーボンの定義
バーボンウイスキーは、アメリカンウイスキーの中でも、特定の原料、蒸留、熟成に関する規定を満たしたものを指します。ここでは、アメリカンウイスキーの定義と、バーボンウイスキーにおけるこれらの規定について説明します。
アメリカンウイスキーの定義
以下の4つの条件を満たすものがアメリカンウイスキーと定義されます。
- 穀物類を原料とする
- 190プルーフ(アルコール度数95%)以下で蒸留する
- オーク樽で熟成させる
- 80プルーフ(アルコール度数40%)以上でボトリングする
バーボンウイスキーの原料・蒸留・熟成規定
さらに、アメリカンウイスキーの定義に加えて以下の原料・蒸留・熟成規定を満たすものを「バーボンウイスキー」と呼びます。
原料規定 | 蒸留規定 | 熟成規定 | |
---|---|---|---|
バーボンウイスキー | トウモロコシを51%以上使用 | 連続式蒸留機で160プルーフ(度数80%)以下で蒸留すること。 | 内側を焦がしたオークの新樽で125プルーフ(度数62.5%)以下で樽詰めし、熟成させたもの。 |
2年以上熟成したものを「ストレートバーボン」と呼びます。
バーボンウイスキーの起源
バーボンの起源には諸説ありますが、最も有力とされているのは、1789年にケンタッキー州で牧師を務めながらウイスキー造りをしていたエライジャ・クレイグという人物が、火事で偶然樽を焦がしてしまい、その焦がした樽でウイスキーを熟成させたことが始まりだとされています。
バーボンの歴史は1790年代に遡ります。アメリカに移住してきたスコットランドやアイルランド出身の人々は、元々ウイスキー造りの技術を持っていましたが、アメリカでウイスキー税が導入されたため窮地に立たされました。
そこで、彼らはウイスキー税を逃れるため、当時まだアメリカ合衆国に属していなかったケンタッキー州やテネシー州に移住しました。その地で特産品であるトウモロコシを主原料としてウイスキー造りを始め、すでにケンタッキー州でウイスキー造りをしていたエライジャ・クレイグを筆頭に、バーボンウイスキーが広まっていきました。
また、「バーボンウイスキー」の「バーボン」という名称は、ケンタッキー州のバーボン郡でこのウイスキーが初めて作られたことに由来しています。
バーボンウイスキーの特徴
バーボンウイスキーは、トウモロコシ特有の甘味や、内側を焦がした樽から生まれる風味、さらにバニラやキャラメルを思わせる甘い香りが特徴です。
これらの特徴を決定づける要素について、以下で説明します。
原料はトウモロコシが中心で、甘くまろやかな味わい
バーボンウイスキーに使用する穀物はトウモロコシが中心となっていて、トウモロコシを51%以上使用することが義務付けられています。これにより、バーボンは他のウイスキーと比べて甘みが強く、まろやかな口当たりが特徴です。
トウモロコシの自然な甘さが、ウイスキーにカラメルのような風味を与え、豊かでふくよかな味わいを生み出します。また、トウモロコシ由来の軽快なフルーティさやバニラのような甘い香りをバーボンの特徴です。
仕込み水がライムストーンウォーター
バーボンウイスキーは仕込み水にライムストーンウォーターを使用しています。ライムストーンウォーターとは、緑色の果実のライムは関係なく、石灰岩(ライムストーン)によってろ過された水のことを指します。ライムストーンウォーターの特徴としては、石灰岩によってろ過されることで、鉄分をほとんど含まず、カルシウムを豊富に含む水だという点です。鉄分がほとんどないことによって、発酵する際に鉄分によって発生する好ましくない香味を取り除くことができます。さらにカルシウムは発酵を促進させる効果があります。バーボンウイスキーのほとんどが作られるケンタッキー州では、石灰岩が豊富にあり、良質なライムストーンウォーターが大量に入手できるためまさにバーボンウイスキーづくりに欠かせない存在と言えます。
内側を焦がしたオークの新樽を使用
バーボンウイスキーは新しいオーク樽の内側を強く焦がしたもの(チャードバレル)で熟成されます。この焦がし工程により、樽の内側にカラメル化した層が形成され、ウイスキーに独特の甘みと深い色合いが加わります。また、樽からのバニラやキャラメル、トーストのような香ばしい香りがウイスキーに移り、複雑でリッチな味わいを生み出します。加えて、焦がしによって得られるスモーキーなニュアンスも、バーボンの風味に一層の奥行きを与えます。
2,000円台おすすめバーボン5選
メーカーズ・マーク
ブランド | Maker’s Mark(メーカーズマーク) |
原産地 | アメリカ合衆国 |
アルコール度数 | 45% |
容量 | 700ml |
種別 | バーボンウイスキー |
熟成樽 | アメリカンホワイトオーク樽 |
熟成年数 | 表記なし |
仕込み水 | ライムストーンウォーター (スプリング・フェド湖の湧き水) |
製造元 | メーカーズマーク蒸留所(ケンタッキー州) |
おすすめの飲み方 | ロック、ハイボール |
1つ目は「メーカーズ・マーク」です。「メーカーズ・マーク」は、アメリカンウイスキーの中でも高い評価を得ているバーボンウイスキーの一つです。
1950年代にケンタッキー州で誕生したこのブランドは、ビル・サミュエルズ・シニアによって創設されました。彼は、家族代々受け継がれてきたウイスキー造りの伝統を守りながらも、独自の手法で新しいバーボンを生み出しました。ビルが目指したのは、穏やかでまろやかな味わいのバーボンです。このため、通常バーボンに使われるライ麦の代わりに、甘みの強い「Soft Red Winter Wheat」という冬小麦を使用する独自のレシピが採用されました。
「手作り」や「製法」といったキーワードを重視した「クラフトウイスキー」をブランドコンセプトとしています。メーカーズ・マークの象徴であるレッドトップのワックスシールは、一本一本手作業で施されており、職人のこだわりと伝統が感じられます。
メーカーズ・マークの味わいは、バーボンの中でも特にまろやかで柔らかい口当たりが特徴です。トウモロコシに加え、冬小麦を使用することで、通常のバーボンよりもスムーズで軽やかな味わいが楽しめます。香りには、バニラやキャラメル、蜂蜜のような甘いニュアンスがあり、味わいにはバニラの甘み、フルーティさ、そしてほのかなスパイスがバランスよく調和しています。余韻には心地よい甘さが長く続き、飲みやすさと深みを兼ね備えた一杯です。
蜂蜜のような琥珀色
バニラ、オレンジ、蜂蜜
口当たりはなめらか。バニラ、小麦の甘味
心地よい甘さが長く続く
ワイルドターキー スタンダード
ブランド | WILD TURKEY(ワイルドターキー) |
原産地 | アメリカ合衆国 |
アルコール度数 | 40.5%(裏ラベル表示は40%) |
容量 | 700ml |
種別 | バーボンウイスキー |
熟成樽 | アメリカンホワイトオーク樽 |
熟成年数 | 6年、7年、8年熟成の原酒をブレンド |
仕込み水 | ライムストーンウォーター (ローレンスバーグの石灰岩層から湧き出る湧き水) |
製造元 | ワイルドターキー蒸留所(ケンタッキー州) |
おすすめの飲み方 | ハイボール |
2つ目は「ワイルドターキー・スタンダード」です。「ワイルドターキー スタンダード」は、アメリカンウイスキーの代表的なブランドの一つであり、特にバーボンウイスキーを語る上で欠かせない存在です。
ワイルドターキーは、ケンタッキー州ローレンスバーグで誕生したバーボンウイスキーブランドです。ブランド名の「ワイルドターキー」は、1940年に当時のディスティラー、トーマス・マッカーシーが友人との七面鳥狩りにウイスキーを持参したことが由来です。友人たちがそのウイスキーを「ワイルドターキー」と呼び、これがブランド名として採用されました。
ワイルドターキーは、ケンタッキー州で長い歴史を持つ蒸留所で造られており、伝統的な製法と高品質な原材料にこだわり続けています。特に、蒸留過程での高いアルコール度数や、樽の強いチャー(焦がし)を特徴とするウイスキーは、力強い味わいで知られています。
「ワイルドターキー スタンダード」は、ワイルドターキーブランドのエントリーモデルとして、バーボンの基本的な魅力をしっかりと伝える一本です。ワイルドターキーは、バーボンウイスキーの中でも特にクセが強く、パンチのある味わいが特徴です。その理由は、他のバーボンと比べて、原料に使用するトウモロコシの割合が低く、大麦とライ麦の割合が高いことにあります。
味わいには、バニラやキャラメル、ハチミツのような甘さがあり、さらにオークのウッディな風味が加わります。また、スパイスや黒胡椒のようなピリッとしたアクセントが感じられ、全体的に深みと複雑さを楽しめます。余韻には、ほのかなスモーキーさと甘さが長く続き、満足感のあるフィニッシュが特徴です。
深い琥珀色
バニラの甘い香り、オークのウッディさ、ほのかなシトラスの香り、スパイスの香り
ほのかなスモーキーさ、バニラやキャラメルを思わせる深い味わい、黒胡椒のようなスパイシーさ
ほのかなスモーキーさと甘さが長く続く
I.W.ハーパー ゴールドメダル
ブランド | I.W.HARPER(I.W.ハーパー) |
原産地 | アメリカ合衆国 |
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700ml |
種別 | バーボンウイスキー |
熟成樽 | アメリカンホワイトオーク樽 |
熟成年数 | 6年以上熟成した原酒をブレンド |
仕込み水 | ライムストーンウォーター (ルイビルの石灰岩層からの天然水) |
製造元 | ヘヴンヒルバーンハイム蒸留所(ケンタッキー州) |
おすすめの飲み方 | ハイボール |
3つ目は「I.W.ハーパー ゴールドメダル」です。「I.W.ハーパー ゴールドメダル」は、長い歴史を持つアメリカンウイスキーのブランドであり、その中でも特にクラシックなバーボンとして愛されています。
I.W.ハーパーの歴史は1872年に遡り、ケンタッキー州でアイザック・ウォルフ・バーンハイムによって創設されました。I.W.ハーパーという名前は、彼のイニシャルと当時の一般的な名前「ハーパー」を組み合わせたものです。ブランドはその高品質なウイスキーで評判を呼び、アメリカ国内外で人気を博しました。
「ゴールドメダル」という名前は、I.W.ハーパーが20世紀初頭に開催された複数の国際博覧会で金メダルを受賞したことに由来しています。ボトルのラベルに輝く5つの金メダルは、5つの万博で獲得した金メダルを意味しています。これにより、ブランドの品質と名声がさらに高まり、今日まで受け継がれています。
「I.W.ハーパー ゴールドメダル」は、非常にスムーズで飲みやすいバーボンウイスキーとして知られています。I.W,ハーパー最大の特徴はとうもろこし86%ととうもろこしの原料比率が大きいことです。とうもろこしの原料比率が大きいバーボンウイスキーは、なめらかな口当たりにスッキリとした飲み口というウイスキー初心者にも親しまれやすい味わいになります。
香りには、バニラやキャラメルのような甘いアロマが広がり、バーボン特有のオークの風味も感じられます。味わいは滑らかで、トウモロコシの甘みが口の中に広がると同時に、ほのかなスパイスやフルーティーなニュアンスがアクセントを加えます。フィニッシュには、上品な甘さと軽いスパイシーさが長く続き、心地よい余韻が残ります。
綺麗な琥珀色
キャラメル、バニラ、オーク、レーズン
若干アルコール感は強め。コーン由来の華やかで甘い味わいが前面に広がる。柑橘系のフルーティさや、若干のスパイシーさもある。
上品な甘さと軽いスパイシーさ
ジム ビーム デビルズカット
ブランド | JIM BEAM(ジム ビーム) |
原産地 | アメリカ合衆国 |
アルコール度数 | 45% |
容量 | 700ml |
種別 | バーボンウイスキー |
熟成樽 | アメリカンオークの新樽 |
熟成年数 | 6年熟成原酒と樽にしみこんだ原酒を抽出してブレンド |
仕込み水 | ライムストーンウォーター |
製造元 | ジムビーム蒸留所 |
おすすめの飲み方 | ハイボール |
4つ目は「ジムビーム デビルズカット」です。「ジム ビーム デビルズカット」は、アメリカンウイスキーの中でも個性的なバーボンとして人気の高い一本です。
ジム ビーム(Jim Beam)は、1795年にケンタッキー州で創業された、アメリカンウイスキーの象徴とも言えるブランドです。創設者のジェイコブ・ビームが始めたこの蒸留所は、長い歴史と伝統を誇り、現在もその品質を守り続けています。ジム ビームは、世界約120か国で愛される世界No.1のバーボンウイスキーブランドで、多くの愛飲者に支持されています。ジム ビームの特徴は、大粒で高品質なデントコーンを使用しているため、甘くスムーズな飲み心地が特徴です。
「ジム ビーム デビルズカット」は、ジム ビームのラインアップの中でも特にウッディな風味が際立つユニークなバーボンです。名前の由来は、ウイスキーが熟成中に樽に吸収されてしまい、通常の抽出過程では取り出せない濃厚な部分が「悪魔の取り分(Devil’s Cut)」と呼ばれることに由来しています。バーボンウイスキーは新樽を使用するため、この「悪魔の取り分」が発生します。この部分は、通常の抽出過程では取り出せないですが、リッチな風味とテクスチャーを持っています。
「ジム ビーム デビルズカット」では、樽内部にしみ込んだ「悪魔の取り分」を独自の技術で抽出し、オーク樽の個性を際立たせた銘柄になっています。渋みが出るほどのオーク樽のウッディさが特徴で、香りにはキャラメルやバニラの甘いノートに加え、オークのスパイシーな香りも感じられます。味わいは豊かで、トウモロコシの甘さが前面に出つつも、焦げたオークの風味やスパイス感がバランスよく加わっています。余韻にはスモーキーさとほのかなバニラの甘さが長く続き、深みと複雑さが楽しめます。ウッディなバーボンを試してみたい方にはちょっと変化球なこちらのバーボンがおすすめです。
深い琥珀色
バニラ、ナッツ、オーク
トウモロコシのまろやかな甘み、焦げたオークのウッディさ、スパイシーさ、ビターさ
スモーキーさとバニラの甘さ
まとめ
今回は2,000円台でおすすめのバーボンを4つご紹介しました。
今回紹介したウイスキーはどれも個性を持っており、それぞれ異なる魅力を楽しむことができます。
- メーカーズ・マークは、まろやかで柔らかな口当たりと豊かな甘さが特徴で、バーボン初心者にもおすすめです。
- ワイルドターキー スタンダードは、スパイシーでパンチのある風味が印象的で、少し強めの味わいを求める方にぴったりです。
- I.W.ハーパー ゴールドメダルは、原料のトウモロコシの比率が高いため、バランスが良く、滑らかな飲み心地が特徴で、幅広いシーンで楽しめます。
- ジム ビーム デビルズカットは、濃厚で力強いオークの風味が際立ち、深い味わいを求める方におすすめです。
どのバーボンも、価格以上の価値を感じさせる逸品ばかりです。ぜひ、これらのバーボンを試して、自分にぴったりの一本を見つけてください。バーボンの多彩な世界を楽しみながら、素敵なひとときをお過ごしください。
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