【2025年最新】アイランズモルトって何？アイランズモルトおすすめ銘柄6選！

みなさんは島育ちのスコッチウイスキー「アイランズモルト」を聞いたことがありますか？

アイランズ地域は、スコットランドのウイスキー6大産地の１つであり、スコットランド北西部の沖に位置する6つの島のことを指します。

アイランズモルトは、タリスカーやアランなど、ビッグネームな銘柄も多く、個性は島によってかなり異なります。

今回の記事では、そんな個性豊かなアイランズモルトについて解説し、おすすめ銘柄を紹介します！

アイランズモルトとは

アイランズ地方とは

アイランズ（Islands）とは、スコットランドの西岸や北岸に点在する島々で造られるウイスキーの総称です。アイランズには、オークニー諸島、ルイス島、スカイ島、マル島、ジュラ島、アラン島などがあります。

以下が島ごとの主な蒸留所の一覧です。

島の名称	主要蒸溜所
オークニー諸島	スキャパ、ハイランドパーク
ルイス島	アビンジャラク
スカイ島	タリスカー
マル島	トバモリー
ジュラ島	ジュラ
アラン島	ロックランザ、ラグ

アイランズモルトはスコッチの中でも個性派ぞろい

アイランズウイスキーは、スコッチウイスキーの6大産地の中でも個性派のウイスキーが揃っていることで知られています。

その理由は、島特有の気候の厳しさにあります。高緯度のため寒冷な気候で、海からの強風や波にさらされる厳しい環境のなかで造られるウイスキーは、どの銘柄も独自の輝きを放っています。

また、一部の島ではピートを使用したスモーキーなウイスキーが造られますが、全てがスモーキーというわけではありません。

アイランズモルトおすすめ銘柄6選

それではアイランズモルトのおすすめ銘柄を6つに厳選して紹介します。

アラン

「アラン」は、アイランズ地方の最南端に位置するアラン島の北部、ロックランザ蒸留所（旧アラン蒸留所）で造られるシングルモルトウイスキーです。

これまでアラン島には北部のアラン蒸留所（現ロックランザ蒸留所）のみが存在していましたが、2019年に島の南部にアランディスティラリーズによって「ラグ蒸溜所」が完成しました。それに伴い、アラン蒸留所は蒸溜所が所在する地名にちなんでロックランザ蒸留所へ改名されました。

アランのウイスキーは非常に飲みやすく、フルーティーな味わいで知られています。シトラスのような柑橘系の爽やかさや、桃のようなとろけるフルーツの風味を楽しむことができます。

また、アランのボトルラベルは2019年にリニューアルされ、より洗練されたデザインになりました。このデザイン変更はアランファンが増加した理由の一つともいえます。インテリアとして飾ってもおしゃれで魅力的です。

さらに、アランはハイボールとの相性が抜群です。シトラスの香りが華やかに広がり、柔らかでフルーティーな味わいが楽しめる、美味しいハイボールが作れます。

アランの代表作は「アラン10年」ですが、ファーストフィルのバーボンバレルで熟成された「アラン バレルリザーヴ」や、ファーストフィルのシェリーホグスヘッドで熟成された「アラン シェリーカスク」など、豊富なラインナップが揃っています。

中でも「バレルリザーヴ」はアランらしい特長を持ちながら、手頃な価格で楽しめるため、初めての方に特におすすめです。ぜひ一度試してみてください。

ラグ

ラグ蒸溜所は、アランの紹介でも触れた通り、2019年にアラン島南部でアランディスティラリーズによって設立された新興蒸溜所です。

ハイランド産のピートを焚き込んだヘビーピーテッドの大麦麦芽と2基の蒸溜器を使用し、豊潤で複雑な味わいを持つ、土のようなニュアンスを含む個性豊かなピーテッドタイプのシングルモルトづくりを目指しています。また、ピーテッドウイスキーの製造と並行して、泥炭地の保護活動にも積極的に取り組んでいます。

ラグのウイスキーはアランとは全く異なる個性を持っています。そのため、アラン島ならではのヘビーピートスタイルのシングルモルトを試したい方には、ラグ蒸溜所のウイスキーがおすすめです。

タリスカー

「タリスカー」は、アイランズ地方のスカイ島にあるタリスカー蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーです。この島は翼の形をした地形で知られています。

タリスカーは、黒コショウのようなスパイシーさと燻製のようなスモーキーさが特徴です。また、「ジョニーウォーカー ブラックラベル」のキーモルトとしても使用されており、ジョニ黒のスモーキーな味わいが好きでシングルモルトに挑戦したい方に特におすすめの銘柄です。

さらに、タリスカーはハイボールとの相性も抜群です。仕上げに黒コショウをかけるとスパイシーさが一層際立ち、肉料理とのペアリングに最適なハイボールを楽しむことができます。

ハイランドパーク

「ハイランドパーク」は、オークニー諸島のメインランド島に位置するハイランドパーク蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーです。その蒸溜所は、ウイスキー蒸留を行う施設として世界最北端とされています。

オークニー諸島は寒冷地で樹木が育ちにくいため、島で採れるピート（泥炭）はアイラ島のようなヨードを含むピートとは異なり、主にヘザーが枯れて形成されたものです。このピートが生むスモーキーさは、煙たさよりもフローラルな華やかさを伴っている点が特徴です。

ヘザー（Heather）は、スコットランドのハイランド地方の原野に群生する多年生の常緑低木で、スコットランドの国花のひとつです。夏から秋にかけて赤紫色の花を咲かせ、甘い香りが特徴です。

香りには、華やかなピート香に加えてバニラやハチミツの甘いニュアンスが感じられます。味わいは、軽やかで飲みやすい印象を受けるかもしれませんが、実際には重厚感があり、しっかりとした飲みごたえがあります。

華やかさとピーティさを兼ね備えたウイスキーを試してみたい方には、ハイランドパークの代表作である「ハイランドパーク12年」がおすすめです。

スキャパ

「スキャパ」は、ハイランドパークと同じく、スコットランド最北端のオークニー諸島メインランド島に位置するスキャパ蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーです。1885年にジョン・タウンゼントとマクファーレンによって設立されました。

スキャパ蒸溜所では、ノンピートタイプの麦芽を使用しており、スモーキーフレーバーは付与されません。その代わり、独自のローモンド型ポットスチルを使用しており、これがスキャパの独特な風味を生み出しています。

香りは、新鮮な洋ナシやパイナップルなどのトロピカルフルーツ、そして花のような甘い香りが特徴的です。味わいは、メロンのような爽やかさとバニラのような甘さが感じられ、余韻には爽やかな甘さが長く続きます。

アイランズ地方のウイスキーは、個性的なものが多い中で、スキャパはエレガントで飲みやすいウイスキーとして知られています。特に、トロピカルでフルーティーな風味は女性にもおすすめです。

スキャパの代表的なボトルとして、「スキャパ スキレン」があります。このウイスキーは、ファーストフィルのバーボン樽で熟成されており、その影響でバニラやハチミツの甘い風味が際立っています。

アイルオブジュラ

「アイル オブ ジュラ」は、スコットランドのアイラ島の東北に位置するジュラ島にあるアイル オブ ジュラ蒸溜所で造られるシングルモルトウイスキーです。ジュラ島は「鹿の島」と呼ばれるほど自然豊かな島で、人口が約200人程度であるのに対し、鹿は5,000頭以上も生息しています。この壮大な自然環境がウイスキーの風味にも影響を与えています。

アイル オブ ジュラ蒸溜所は1810年に設立されましたが、長い歴史の中で何度か閉鎖と再建を経験しています。現在の蒸溜所は1963年に再建され、モダンな設備を備えた蒸溜所として再始動しました。特徴的な高いネックのポットスチルを使用しており、これがジュラのクリーンで繊細な酒質を生み出しています。

アイラ島に近いことからスモーキーで力強い味わいを想像されることが多いですが、アイル オブ ジュラのスタイルは異なります。クリーンで飲みやすい酒質が特徴で、軽やかでフルーティーな味わいを楽しむことができます。バニラやトフィー、熟した洋ナシ、スパイスのニュアンスが広がる複雑で優しい味わいが魅力です。

アイル オブ ジュラの代表作としては「ジュラ 10年」が挙げられます。このウイスキーはバーボン樽とオロロソシェリー樽で熟成され、フルーティーさとスパイシーさが絶妙に調和した味わいが特徴です。また、「ジュラ 12年」や「ジュラ 18年」といったラインナップも用意されており、年数ごとに異なる風味の変化を楽しむことができます。

まとめ

今回はアイランズモルト特集をお届けしましたが、いかがだったでしょうか。

アイランズモルトは、寒冷な気候と海からの強風や波にさらされる厳しい環境の中で生まれた、どの銘柄も個性的で魅力的なものばかりです。

スキャパやアランなど、華やかで飲みやすい銘柄も多く、スペイサイドなどの王道以外のウイスキーを試してみたい方には、アイランズモルトは魅力的な選択肢となるでしょう。

また、スコットランドの6大産地については、スペイサイドやアイラなど、他の地域についても特集していますので、興味のある方は以下の記事もぜひご覧ください。

それではよいウイスキーライフを。

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