今年、Netflixで公開され話題沸騰中のドラマ「地面師たち」。みなさんはもうご覧になりましたか？この作品は、土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る詐欺師集団「地面師」を描いた物語です。原作は新庄耕氏の小説で、その内容が見事にドラマ化されています。
「地面師たち」は、その完成度の高さや緻密なストーリー展開が評価され、日本国内だけでなく海外でも注目を集めています。そして実は、このドラマはウイスキーファンの間でも大きな話題を呼んでいるのです。
作中では、地面師詐欺集団のリーダーであるハリソン山中がウイスキーを嗜むシーンや、ウイスキーについて語る場面が登場します。そしてそのウイスキーが、名だたる伝説級のヴィンテージウイスキーばかりなのです。また、これらのヴィンテージウイスキーはすべて本物だそうです。
そこで今回は、ドラマ『地面師たち』に登場する高額ウイスキーの現在の市場価格を、確認できた範囲でまとめてみました！それでは、さっそくご覧ください。
「地面師たち」に登場するウイスキーの市場価格
ザ・グレンリベット20年
「ザ・グレンリベット20年」は、ドラマ第一話の冒頭に登場します。
このグレンリベット20年は、1970年代前後にイタリア向けに2400本限定で製造されたもので、通称「赤玉」と呼ばれる希少なボトルです。
当時は「シングルモルト」という表現が一般的ではなく、現在のシングルモルトに該当するウイスキーは「アンブレンデッド」（ブレンドされていない）と表記されていました。このボトルの特徴的な赤い丸いラベルデザインが、「赤玉」という愛称の由来となっています。
さらに、このボトルの市場価値を調査したところ、オークションでは約12万円で落札された事例が確認できました。現在の市場価格はおおよそ10万円から15万円と推定されます。
スプリングバンク26年/1966
「スプリングバンク26年」は、第一話に登場します。
ラベルには「1966年蒸溜」と記載されていますが、この時期はスプリングバンクの中でも特に評価が高い年代として知られています。このボトルは、1995年頃に26年熟成の状態で日本向けにボトリングされた希少な一本です。
ただし、ネット上で全く同じボトルを見つけることはできませんでした。そのため、1960年代蒸溜で似たスペックのボトルを調査しました。
調査の結果、1969年蒸溜のスプリングバンク26年が海外のオークションサイトに出品されていることを確認しました。このボトルの価格は2,500ユーロ、日本円で約40万円に相当します。市場価格はおおよそ35万円から45万円と推測されます。
ボウモア1965
「ボウモア1965」は、第一話の中でハリソンが一人で飲むシーンではっきりと映し出されています。ラベルには「1965年蒸溜」と記されており、シェリーカスクで熟成されたウイスキーであることが読み取れます。
このボトルについて調査したところ、海外の販売サイトで取り扱われていることが確認できました。
その販売価格は12,000ポンドで、日本円に換算すると約233万円に相当します。市場価格はおおよそ200万円から250万円と推測されます。
ザ・マッカラン18年/1972
「マッカラン1972」は、第4話でハリソン、後藤、辻本の3人が飲んでいるシーンに登場します。
このボトルは、毎年リリースされているマッカラン18年の1972年蒸溜版です。18年熟成のシングルヴィンテージシリーズは、マッカランがシングルモルトを本格的に発売し始めた初期から展開されており、現在でも定番品として位置付けられています。マッカランを代表する銘柄の一つと言えるでしょう。
調査の結果、このボトルは楽天市場で販売されているのを確認しました。販売価格は65万円で、市場価格はおおよそ60万円から70万円と推定されます。
ポートエレン22年/1979 1st Release
「ポートエレン22年/1979 1st Release」は、第5話でハリソンと辻本が2人で会話するシーンに登場します。ハリソンがウイスキーについて語る場面でも、彼が飲んでいたのはこのポートエレンでした。
このボトルは、1983年から2024年まで閉鎖されていたスコットランド・アイラ島のポートエレン蒸留所がリリースした、オフィシャルリミテッドエディションの第1弾です。
蒸留所が閉鎖されてから18年後に初めて登場したオフィシャルボトルであり、ポートエレンの歴史を象徴する一本です。
調査の結果、楽天市場で販売されていることを確認しました。市場価格はおおよそ60万円から70万円と推定されます。
ザ・マッカラン1959
「ザ・マッカラン1959」は、第5話で登場します。ハリソンがポートエレンについて土地の価値に例えながら語るシーンの後、アジトのウイスキー棚が映る場面で確認できるボトルの一つです。このシーンに登場するボトル群のうち、「ザ・マッカラン1959」は写真の左側に置かれています。
このボトルは、CAMPBELL, HOPE & KING社によってボトリングされたものです。同社は1710年創業の老舗で、当時、自社でシングルモルトを発売していなかったマッカランからライセンスを受けてボトリングを行っていました。
そのため、「ザ・マッカラン1959」は準オフィシャルボトルといえる存在です。また、ラベルに熟成年数の表記がないため、ノンエイジボトルと推測されます。
調査の結果、このボトルは海外の販売サイトで取り扱われていることを確認しました。販売価格は日本円で約85万円、市場価格はおおよそ80万円から90万円と推定されます。
ザ・マッカラン1962
「ザ・マッカラン1962」は、第5話のアジトのウイスキー棚に映るボトルの一つで、写真の右側に位置しています。
このボトルも「ザ・マッカラン1959」と同様に、CAMPBELL, HOPE & KING社によってボトリングされたもので、イタリア市場向けにリリースされたマッカランです。
調査の結果、このボトルの販売価格は日本円で約105万円であることが確認されました。市場価格はおおよそ100万円から110万円と推定されます。
尚、楽天市場ではほとんど同じモデルの「ザ。マッカラン1961」が180万円で売られていました。
ローズバンク15年
「ローズバンク15年」は、第5話でアジトのウイスキー棚に映るボトルの一つです。このウイスキーは、ローランドモルトの象徴的な存在であるローズバンク蒸留所によって1980年にボトリングされた、長期熟成のシングルモルトウイスキーです。
ローランド伝統の3回蒸留で造られており、大麦麦芽を原料とするピュアモルトウイスキーとして知られています。
調査の結果、このボトルの価格は約43万円で、市場価格はおおよそ40万円から50万円と推測されます。
ローズバンク20年
「ローズバンク20年」は、第5話のアジトのウイスキー棚に映るボトルの一つで、「ローズバンク15年」と同様に1980年代にボトリングされた銘柄です。
ローランドモルトの象徴ともいえるローズバンク蒸留所の長期熟成ウイスキーであり、その希少性から高い評価を受けています。
調査の結果、このボトルの価格は日本円で約143万円であることが確認されました。市場価格はおおよそ140万円～150万円と推定されます。
ポートエレン22年/1978
「ポートエレン22年」は、写真の右側に映るボトルです。
調査の結果、楽天での販売価格は約59万円であることが確認されました。市場価格はおおよそ50万円から60万円と推定されます。
ボウモア42年/ブラックボウモア1964 4th
最後にご紹介するのは、「ボウモア42年/ブラックボウモア1964 4th」です。このボトルは、ボウモアの歴史の中でも最も人気のある「ブラックボウモア」シリーズの第4弾です。1964年に蒸留され、ボウモアの黄金期ともいえる時期に生まれました。42年間オロロソシェリー樽で熟成され、非常に貴重な一本となっています。
海外の販売サイトでこのボトルが取り扱われており、その価格は日本円で約730万円です。また、楽天市場でも販売されていましたが、その値段は358万円でした。
これらが4thリリースのものであるかは確認できなかったため正確な判別はできませんが、市場価格はおおよそ350万円から750万円と推測されます。
あまりにも高額ですが、その希少価値を考えると納得の価格かもしれません。1滴でも味わってみたいものです。
まとめ
今回はNetflixで話題のドラマ「地面師たち」に登場したヴィンテージウイスキーの市場価格をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
「地面師たち」は、ストーリー展開の速さや頭脳戦の面白さが魅力的であるのはもちろん、登場キャラクター、特にハリソンの個性が際立っています。さらに、登場する小物一つひとつに至るまで手を抜かず、その本気度が感じられました。
今回ご紹介したウイスキーは、どれも伝説的なヴィンテージボトルばかりで、ハリソンのキャラクターをさらに際立たせているように感じました。調べていても非常に面白かったです。
なお、今回紹介したもの以外にもウイスキーがいくつか陳列されていましたが、画面から見切れていたため、認識することができませんでした。
最後に、今回ご紹介したウイスキーのボトル名と推定市場価格を以下にまとめました。ぜひ参考にしていただければと思います。
| ウイスキー | 推定市場価格 |
|---|---|
| ザ・グレンリベット20年 | 10万円～15万円 |
| スプリングバンク26年/1966 | 35万円～45万円 |
| ボウモア1965 | 200万円～250万円 |
| ザ・マッカラン18年/1972 | 60万円～70万円 |
| ポートエレン22年/1979 1st Release | 60万円～70万円 |
| ザ・マッカラン1959 | 80万円～90万円 |
| ザ・マッカラン1962 | 100万円～110万円 |
| ローズバンク15年 | 40万円～50万円 |
| ローズバンク20年 | 140万円～150万円 |
| ポートエレン22年/1978 | 50万円～60万円 |
| ボウモア42年/ブラックボウモア1964 4th | 350万円～750万円 |
私は普段、ウイスキーに関する様々な記事を執筆しています。今回の記事を通じてウイスキーにご興味を持っていただけた方は、ぜひ初心者向けに分かりやすく解説した記事もご覧ください。
また、ハイボールに最適なウイスキーを国別に紹介した記事もありますので、こちらもご興味があればぜひご一読ください。
それでは、よいウイスキーライフを。
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