みなさんは余市蒸溜所に訪れたことがありますか?
余市蒸溜所といえば、「日本のウイスキーの父」と呼ばれるニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝が、ウイスキーづくりの理想郷として設立したニッカ初の蒸溜所として知られています。
先日、2025年3月に余市蒸溜所を見学してきました!ツアー内容は有料イベントの「ウイスキーを愉しむ カクテルセミナー」です。
初めての訪問でしたが、ビジターセンターの展示から蒸溜所見学、そして有料試飲まで、すべてが大満足の内容でした!
今回は、その見学の様子をお伝えするとともに、予約方法やアクセス、ショップ情報についても詳しくご紹介したいと思います。


ケン
・元バーテンダー|現ITエンジニア
・アイラウイスキー愛好家
・年間ウイスキー消費量は100杯以上


\500mlあたり約20円!/
余市蒸溜所について
余市蒸溜所とは


創業開始 1934年
仕込み水 余市川の伏流水
蒸留器 初留4基、再留2基
余市蒸溜所は、創業者・竹鶴政孝が1934年に設立したニッカウヰスキーの最初の蒸溜所です。
竹鶴はスコットランドで学んだ本格的なウイスキー造りを日本で実現するため、スコットランドと似た気候と自然環境を持つ北海道余市町を選びました。
余市町は三方を山に囲まれ、冷涼で湿度の高い気候、清らかな水源、そしてピート(泥炭)が豊富な土地であり、これらはウイスキー造りに理想的な条件です。
仕込み水には余市川の伏流水を使用しています。
竹鶴はこの地で、スコットランドで習得した伝統的な製法を用いて、理想のウイスキーを追求しました。
そんな余市蒸溜所のウイスキーの特徴は主に3つあります。
特徴的な製法1:製麦でピートを使用


余市の製造工程では、製麦時に大麦を乾燥させる際にピートを燃料として使用します。
ウイスキーは製麦、糖化、発酵、蒸留、熟成といった様々な工程を経て造られますが、製麦はその最初の重要な工程です。
この段階で大麦を乾燥させ、ピートの煙でスモーキーなフレーバーを麦芽に移すことによって、ピーテッド麦芽が生まれます。
余市蒸溜所では、ニッカのピート畑で定期的に採取されたピートを使用しています。ピート畑は石狩川の河口付近にあり、地元産のピートを炉で焚くこともあります。
余市蒸溜所のウイスキーは、このピートのスモーキーさが顕著であり、重厚な味わいが特徴です。
特徴的な製法2:石炭直火蒸溜


余市蒸溜所の最大の特徴は、伝統的な「石炭直火蒸溜」です。
余市蒸溜所には初留釜4基と再留釜2基のポットスチルがありますが、初留釜では現在も伝統的な石炭直火蒸溜が行われています。
石炭の火で直接加熱することで、強い熱を与え、蒸気加熱よりも熱ムラが生じることで力強く厚みのあるウイスキーを造り出します。
現在ではほとんどの蒸溜所が蒸気加熱を採用しているため、この方法を維持している蒸溜所は極めて珍しいです。
特徴的な製法3:ポットスチルの形状


余市蒸溜所では、蒸溜に使われるポットスチルは、下向きのラインアームを持つストレートネック型が採用されています。
このストレート型のポットスチルは、外気に触れる面積が他のタイプよりも小さいため、アルコール以外の成分が多く残り、蒸溜過程で複雑で豊かな味わいが原酒に与えられます。
さらに、ラインアームが下向きであることにより、上向きのものに比べて重い成分が蒸気中を通りやすくなり、これが余市原酒に重厚な風味をもたらしています。


営業時間
余市蒸溜所の営業時間は以下のようになっています。
| 施設名 | 開館 | 閉館 |
|---|---|---|
| ビジターセンター | 9:00 | 16:30 |
| ニッカミュージアム テイスティングバー | 9:15 | 16:15 (ラストオーダー16:00) |
| ディスティラリーショップ | 9:15 | 16:15 |
| レストラン | 10:00 | 15:50 (ラストオーダー15:20) |
アクセス
余市蒸溜所の所在地は以下のようになっています。
| 施設名 | ニッカウヰスキー 余市蒸溜所 |
| 所在地 | 〒046-0003 北海道余市郡余市町黒川町7丁目6 |
電車


バス


車


※20歳未満の方、お車、バイク、自転車を運転される方の試飲はできませんのでご注意ください。
余市蒸溜所見学について
余市蒸溜所見学の概要
無料ガイドツアー
蒸溜所見学では、ウイスキーの製造方法についてやニッカの歴史について学ぶことができ、最後に無料のテイスティングをすることができます。ガイドツアーは蒸溜所見学50分、無料試飲最長20分で所要時間は約70分となっています。また、参加費は無料です。
| 無料ガイドツアー | |
|---|---|
| 参加費 | 無料 |
| 所要時間 | 約70分 蒸溜所見学(約50分)➡無料試飲(約20分) |
| 開催時間 | 9:30/10:00/10:30/11:00/11:30/12:00/ 13:00/13:30/14:00/14:30 |
| 条件 | 見学希望の1~9名は前日までに事前予約1名様~9名様(20歳未満、乳児含む) |
有料イベント
無料の一般見学以外にも、ウイスキーを楽しむ有料イベント・セミナーが用意されています。
2025年3月時点で開催されている有料イベントの一覧は以下のようになります。
| イベント名 | 開催日 | 所要時間 | 参加費 |
|---|---|---|---|
| マイブレンドセミナー | 不定期開催 | 約150分(見学付き) | 10,000円(税込) ※持ち帰り180ml×1本を含む |
| カクテルセミナー | 木・金曜日(祝日除く) | 約90分(見学付き) | 2,500円(税込) |
| プラチナムツアー | 土日不定期開催 | 約120分 | 5,000(税込) |
| キーモルトセミナー | 平日不定期開催 | 約80分(見学付き) | 2,000円(税込) |
今回、私は「カクテルセミナー」に参加してきたので、ツアーの様子とカクテルセミナーについてこの後ご紹介します!
イベント・セミナー情報についての詳細はこちらからご確認ください。
余市蒸溜所ツアーの予約方法
それではツアーの予約方法について解説します。まずは、以下の余市蒸溜所公式ホームページの見学予約ページを開いてください。
予約は以下の3ステップで完了します。


まずは、予約ページのページ下部までスクロールし、希望日を選択してください。


希望日を選択したら、見学コースと希望時間を選択しましょう。
次にお客様情報を入力していきましょう。


お客様情報の入力が完了したら、入力内容に間違いがないか確認しましょう。


入力内容に間違いがなければ、予約を確定しましょう。


以上で見学予約が完了します。
実際に余市蒸溜所見学に行ってきました!
札幌駅から余市蒸溜所へ
私は、札幌から小樽までは電車、小樽から余市まではバスという組み合わせで蒸溜所にアクセスしました。


この日は気温は約ー2度で雪も降っていてかなり寒かったです。特に小樽や余市は海岸沿いに位置しているため、冬に余市に訪れる際は防寒は十分に対策するのがいいと思います。
札幌駅から約1時間半の時間を経て、バスを降りたら目の前には何度もネットで見た余市蒸溜所の正門が!この時点でテンションはマックスです。


正門で受付をし、ビジターセンターで待機
蒸溜所見学は、正門で受付をしてからスタートします。受付で予約した氏名を伝えると、入場チケットをもらうことができます。蒸溜所に到着したら、まずはこのチケットを受け取りましょう。
私は今回、無料ツアーではなく、有料セミナーの「ウイスキーを愉しむ カクテルセミナー」に参加しました!しかし、こちらのセミナーは通常のツアーも含まれているため、是非参考にしていただければと思います。


受け取り終わったら、正門をくぐって中に入るわけですが、入った瞬間から、別世界のような景色が広がっていました。まるでスコットランドのような赤い屋根と石づくりの建物に雪景色は本当に美しくて感動しました。


ツアー開始までビジターセンターで待機します。
ビジターセンターには、実物のピートや石炭が展示されていました!中々見る機会はないので、貴重な経験でした。


蒸溜所ガイドツアーを体験!


蒸溜所ガイドツアーはビジターセンターからスタートします。初めに、余市蒸溜所紹介ムービーやウイスキーの製造工程のムービーなどを見ます。これで余市蒸溜所の概要がつかめました!
また、撮影については、動画はNG、写真は全てOKだそうです!
見学コースは以下のマップの矢印の通りに進んでいきます。




乾燥塔は、発芽した大麦をピートでいぶしながら乾燥させ、麦芽を作る施設です。しかし、こちらの施設は現在は使われておらず、海外の大麦麦芽を輸入しているそうです。


麦芽を粉砕し、マッシュ譚と呼ばれる糖化槽で麦汁をつくる施設です。粉砕麦芽に温水を加えて攪拌、酵素の働きによりデンプンが糖分にかわり、甘い麦汁ができます。
麦汁に酵母を加えて発酵工程に入ります。酵母が麦汁の糖分をアルコールと炭酸ガスに分解し、もろみができます。もろみは地下のパイプを通って蒸溜棟に送られます。


もろみをポットスチルと呼ばれる単式蒸溜機で2回蒸溜します。ここで、伝統的な石炭直火蒸溜により、力強く重厚なモルトウイスキーがつくられます。
蒸溜後のウイスキー原酒はここで樽に詰められます。熟成を終えたウイスキーを樽から取り出し、混和する作業もここで行われます。
旧竹鶴邸


蒸溜所の敷地内にひっそりと佇む「竹鶴邸」。ここは、竹鶴政孝がリタ夫人と共に過ごした余市町郊外の住居を、2002年に移築したものです。
洋風の外装ながら、中には和室も備えられた和洋折衷の造り。そこには、お互いの文化を尊重し合い、大切に育んできた二人の暮らしぶりが今も息づいています。
ちなみに、竹鶴氏はこの自宅で毎日「1本以上」のウイスキーを空けていたという驚きの逸話も。伝説的な強さですね(笑)
一号貯蔵庫


圧巻の「一号貯蔵庫」に足を踏み入れる。
ここは、歴史の重みを感じる石造りの建物。 床はあえて「土」のままにされており、原酒の熟成に欠かせない適度な湿度が保たれています。
また、厚い石壁が外気を遮断するため、夏場でも内部はひんやり。 この計算し尽くされた環境の中で、余市のモルトは静かに眠り、深みを増していくのですね。
カクテルセミナーに参加!


今回は、有料のカクテルセミナーにも参加してきました!
発売されたばかりの「ニッカ フロンティア」のハイボールをはじめ、余市ハイボールに好きな構成原酒を注ぐ「フロート」体験、さらには華やかな洋ナシのハイボールなど……。余市のポテンシャルを引き出すラインナップに、終始大満足の内容でした。


プロがカクテルの作り方を丁寧にレクチャーしてくれるので、初心者の方でも安心です。「ウイスキーの新しい楽しみ方を知りたい!」という方には、間違いなくおすすめのセミナーですよ。
ニッカミュージアム(有料テイスティングバー)は絶対行くべき!


今回のツアーで一番楽しみにしていたのが、ニッカミュージアム内に併設されている「有料テイスティングバー」です!
激レアウイスキーが格安で試飲できるテイスティングバー
ここでは、普段はお目にかかることすら難しい銘柄が、驚きの格安価格で提供されています。
・シングルカスク余市10年(ここでしか飲めない限定品!)
・鶴(ニッカの最高傑作と名高いブレンデッド)
・ニッカ ナインディケイズ(90周年記念の超希少ボトル)
他にも余市や宮城峡の蒸溜所限定ウイスキーなど、目移りするようなラインナップ。まさにウイスキー好きにはたまらない、ありがたすぎる場所です。
今回選んだ贅沢な2杯


試飲は1杯15mlのスタイル。私は「鶴」と「シングルカスク余市10年」をチョイスしました!
ちなみに、「ナインディケイズ」はなんと10mlで10,000円! さすがに今回は手が出ませんでしたが……(笑)。「次は迷わず注文できる自分になって戻ってくるぞ!」と、新たな目標(?)を胸に、また仕事を頑張ろうと思います。


フルーティーな甘み: 熟したリンゴや桃、アプリコットのような、瑞々しくも落ち着いた果実香が真っ先に広がります。
樽由来の気品: バニラやキャラメル、そして微かにシェリー樽由来のダークチョコやドライフルーツのニュアンスが重なります。
ほのかなピート: 余市蒸溜所の特徴であるスモーキーさが、決して主張しすぎず、背景にうっすらと漂うことで香りに奥行きを与えています。
なめらかな口当たり: 「鶴」という名にふさわしく、凛としてしなやか。アルコールの刺激が驚くほど少なく、口の中を滑るような質感です。
コクのある甘み: カフェグレーン由来の柔らかな甘さと、宮城峡モルトの華やかさが絶妙に調和しています。
複雑な層: 最初はハチミツのような甘さが来ますが、中盤からウッディなスパイシーさや、心地よいビター感が顔を出します。
蒸溜所限定品多数のショップ


余市蒸溜所のショップには、ここでしか手に入らない限定ウイスキーが目白押し!
読者の皆さんが一番気になっているのは「現地で何が買えるのか?」という点だと思います。そこで、私が訪問した際のショップの在庫状況を一覧にまとめました。
- ピュアモルトブラック
- ピュアモルトレッド
- 余市蒸留所限定ブレンデッド
- シングルモルト余市 ピーティ&ソルティ(500ml)
- シングルモルト余市 シェリー&スイート(500ml)
- シングルモルト余市 ウッディ&バニラ(500ml)
- シングルモルト余市(フルボトル)
- シングルモルト宮城峡(ミニボトル)
- シングルモルト余市(ミニボトル)
- 竹鶴ピュアモルト(ミニボトル)
- 竹鶴・余市・宮城峡ミニボトルセット
- フロムザバレル
- 竹鶴ピュアモルト(フルボトル)
- シングルモルト宮城峡(フルボトル)
- 鶴
- シングルモルト余市 ピーティ&ソルティ(180ml)
- シングルモルト余市 シェリー&スイート(180ml)
- シングルモルト余市 ウッディ&バニラ(180ml)
今回、残念ながら「鶴」の販売はありませんでしたが、余市の個性をダイレクトに味わえる「構成原酒」や、根強いファンが多い「ピュアモルト」シリーズはしっかり取り揃えられていました。
それにしても「鶴」との出会いは、まさに運次第。なかなか簡単には出会わせてくれませんね……!(笑)
今回の戦利品


ショップでの悩ましい時間の末、私が今回お迎えした戦利品たちがこちらです!
- 余市蒸溜所限定 ブレンデッドウイスキー
- シングルモルト余市 構成原酒(3種類)
- ピュアモルト ブラック&レッド
- 竹鶴の抱き熊
……ちょっと、買いすぎてしまいましたかね(笑)
もともと構成原酒とピュアモルトは「絶対買う!」と決めていたのですが、ショップで偶然出会って一目惚れしてしまったのが「竹鶴の抱き熊」。
ウイスキーボトルを抱えるその愛くるしい姿にやられてしまい、迷わず購入してしまいました。これから自宅の「家呑みスペース」の主として、晩酌を見守ってもらおうと思います。
余市蒸溜所はジャパニーズウイスキーの聖地でした!


日本のウイスキーのパイオニア、余市蒸溜所はまさに「ウイスキー好きの聖地」でした!
間近で見学できる圧巻の「石炭直火蒸溜」、ここでしか味わえない贅沢な有料試飲、そして旅の思い出を形にする限定ウイスキー……。どこを切り取っても魅力にあふれ、ウイスキーへの愛がさらに深まる最高のツアーでした。
ウイスキー好きの方はもちろんですが、札幌近郊へ旅行に行かれる方にも、日帰りで楽しめるアクティビティとして心からおすすめします。
伝統と情熱が息づく余市の空気感を味わいに、ぜひ一度足を運んでみてください。きっと、もっとウイスキーが好きになるはずです!











